1時間半程度で読破。

正直、読後感の悪さという意味では今まで読んだ小説の中でダントツでした。

500円と1時間半を返して欲しい位です。

以下、ネタバレを含む批判的な内容です。













■ストーリー
大学のテニスサークルの同期8人が見知らぬ部屋に拉致された。
その部屋にはドアは1つしかなく施錠されている。
その横にはボタンがあるが、ドアはボタンを押している間だけしか開かない。

つまり、その部屋から脱出するにしても誰か1人は残らなければならない。
8人が考えている時、壁穴から部屋に水が入ってきた。
それは、残った1人が死ぬことを意味していた。

1人の犠牲と引き換えに、次の部屋に進んだ7人を待っていたのは、
始めの部屋と同じ作りで、違うのは部屋に充満していくのが水からガスに変わったのみの部屋。

次も、またその次も・・・。

7人の死を目の当たりにし、ついに1人残された主人公は最後の扉を開けるが、
そこには自分と同じく部屋を脱出した人間が6人。

そして主人公を含む7人を待ち受けていたのは、始めと同じ部屋。

全員が狂気に満ちた決意を持つところで物語が終了している。





■批判点
・グロければ良い?
まず、グロければ良いみたいな意図が見え隠れしていて、
浅はかにすら感じてしまいます。
無用なグロさと言うか、さじ加減を間違えている感があります。
しかも1つはそこまでしてグロくしたいか?と疑問に思いました。
人形が爆発するやつ、あんなの全くリアルじゃないだろ、と。



・人物描写
ページ数の関係もありますが、登場人物1人1人の描写が薄っぺらく、
それぞれの死に対して何も感じることが出来なくなってしまっています。



・救いのない話
この手の物語で自分が期待していたのは、
必ず全員が助かる方法があった、というオチでした。

最後の部屋では、薬が2つ。
恐らくどちらかに猛毒があるという状況。
2つ同時に飲めば中和されて2人とも助かる、
そして今までの部屋でも、それぞれ1つだけ全員助かる方法があった、
なら個人的には良かったと思います。

しかし、結局2人のうち1人が2つ飲んだものの、
期待も虚しく毒により亡くなってしまいました。

ただ死ぬしかない、というのはちょっとつまらなく感じました。



・エピローグ
最終的に、全員が狂気を受け入れているラストは好みではありません。

特に主人公は、途中「何をしてでも生き残る」と宣言した人物を
痛烈に批判している手前、最後にその人物と同じになってしまうのは
物語の薄っぺらさを加速させているように感じます。

人間なんてそんなもんですよ、という作者のメッセージかもしれませんが、
やはり薄っぺらく感じてしまいます。




■結局
最初に書いたとおり、ただただ後味が悪いだけのものな気がします。
正直、この作者は人が死ぬ描写が出来ればなんでも良いんじゃないか、
と思えてくるほどです。

×ゲームはそれなりに良かったと思ったんですけどね・・・。

しばらくこの作者の小説は買わないでおこうかな、と思います。

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